KinderAthleteTraining


スキャモン曲線

正式には「スキャモンの発達・発育曲線」
子供が成長していく中で、器官や機能は個々別々の発達をしていきます。
一つの事柄でも、吸収しやすい時期、しにくい時期が出てきます。
そこで、最も吸収しやすい時期に、その課題を与えていくのが最適です。
この発達・発達していく特性を説明するときにこの「スキャモン曲線」のグラフが使用されます。

例えば、神経系統は生まれた直後から4,5歳ごろまでに約80%の成長し、12歳ごろには約100%近くになります。
この時期は、神経系の発達がめざましい年代で、さまざまな神経回路が形成されていく大切な時期になります。
神経系は、一度その経路が出来上がればなかなか消えません。
それは、いったん自転車に乗れるようになると何年間も乗らなくても、いつでもスムーズに乗れるようになることができることからも理解できます。
この時期に神経回路に刺激を与え、その回路を幾重にも張り巡らせるためにも多種多様な動きを経験させることが、とても大切なことです。


このグラフは、成長発育を20歳でのレベルを100%として考え、各体の組織の発達・発育していく特徴を4つのパターンに分けてグラフ化したものです。(松尾保:新版小児保健医学、松尾保編、日本小児医事、出版社、東京、第5版、p10、1996より)

・神経系型(脳、脊髄、視覚器、頭径)
リズム感や体を動かすことの器用さを担う。出産直後から急激に発達し、4,5歳で成人の約80%にも達します。

・リンパ系型(胸腫、リンパ節、同質性リンパ組織)
免疫力を向上させる扁桃、リンパ節等のリンパ組織の発達です。
生後〜12,13歳頃までにかけて急激に成長し、大人のレベルを超えますが、思春期すぎから大人のレベルに戻ります。

・一般型(全身の計測値(頭径を除く)、呼吸器、消化器、腎、心大動脈、脾、筋全体、骨全体、血液量)
一般型は身長・体重や肝臓、腎臓等の胸腹部臓器の発育を示します。
特徴は幼時期までに急速に発達し、その後は次第に緩やかになり、二次性特徴が現れる思春期に再び急激に発達します。思春期以降 に再び発育スパートが見られ大人のレベルに達します。

・生殖器系型(睾丸、卵巣、副睾丸、子宮、前立腺など)
生殖器系型は男児の陰茎・睾丸、女児の卵巣。子宮などの発育です。
小学校前半までは僅かに成長するだけで、14歳あたりから急激に発達します。生殖器系の発達で男性ホルモンや女性ホルモン等の 性ホルモンの分泌も多くなります。